仕事とプライベートで分けたほうがいいのかなあ?
新社会人として、新しい環境で活躍している方も多くいらっしゃると思いますが、「仕事とプライベートはきっちり分けたほうがいいのか?」という疑問があると思います。
今回はサウスイースタン大学の行った研究をベースに、仕事とプライベートを分けたほうが良い人の条件について解説していきます。
この記事の内容
・心理的切り離しとは
・自己決定理論とは
・仕事とプライベートは分けるべき?
仕事からの心理的な切り離し
まずは仕事がからの「心理的切り離し」について解説します。
仕事からの心理的切り離しとは、非勤務時間中に仕事のことを考えないようにすると言う事ですね。
休みの日は仕事の事など考えずに、オフを満喫しようということです。仕事とプライベートをキッチリ分ける行為ですね。
「仕事からの心理的な切り離し」のメリットは
1.従業員の幸福と仕事のパフォーマンスが上がる
2.心理的緊張が緩和され疲労が軽減する
3.抑うつ症状が改善される
4.睡眠障害などの健康障害が軽減される
ということがわかっています。
つまり、オフの時間をしっかり楽しむと言う事は、「従業員の幸福と仕事のパフォーマンス向上」につながる!んですね。
ただし、これは「すべての人に当てはまるかどうか?」ということが今回の新しい研究の焦点となっています。
ポイントとなるのが「自己決定理論」です。
自己決定理論とは
研究チームは自己決定理論に基づいたモチベーションの違いに注目しました。
自己決定理論ではモチベーションは、内発的動機と外発的動機に区別します。
1.内発的動機は興味と楽しさが中心で、意欲と選択によって幸福と仕事のパフォーマンスに影響する。
2.外発的動機は報酬や罰の回避に依存する。
当然内発的動機づけの方が重要な概念となるのですが、この2つのモチベーションの違いが、仕事から心理的切り離しの影響に違いを生むのか?という点が今回の研究のテーマなんですね。
心理的な切り離しと動機づけの関連性
サウスイースタン大学2020年の研究では、合計446人の従業員を対象に2つの実験を行いました。調査の内容は、
1.仕事の満足度
2.疲労感
3.感情的な問題
4.仕事の努力
5.仕事のパフォーマンス
6.心理的な切り離しの度合い
7.仕事の動機
を調べたんですね。その結果わかったことは、
1.内発的動機が低い従業員は、心理的に話によってポジティブな影響を受けていた!
2.内発的動機が高い従業員は、心理的な切り離しが少ない傾向にあり、仕事への努力と仕事の質が高い傾向にあった!
つまり、 仕事への内発的な動機を高めることができれば、心理的な切り離しの必要性は少ない!ということですね。
さらに、内発的動機が低い従業員は、ポジティブな感情や生活の満足度、仕事の努力や質がすべて低い傾向にあったそうです。
企業はまず、従業員の内発的動機を高めるような努力をすべきだと言う事ですね。
仕事とプライベートを分けるまとめ
今回の研究では、仕事とプライベートを分けるべき人の特徴が分かりましたが、ポイントは、
ポイント
1.仕事に対して内発的動機が高い人は、プライベートと切り離す必要性が低い!
2.仕事に対して内発的動機が低い人は、仕事とプライベートを切り離す必要がある!
仕事に対しての内発的動機を育てることが、仕事への努力とパフォーマンスを改善するので具体的なアクションとしては
・今自分がやっている仕事に対して自発的動機が少ないのであれば、まずはしっかりオフ時間を楽しむようにする!
・内発的動機を高める努力をする!
ということになるでしょうか。
オフの時間を楽しむようにすると言う事は、比較的簡単に行えると思いますが、内発的動機を高めるのはなかなか難しいと思います。
あなたが上司であれば、部下の内発動機づけに取り組んでいただきたいですし、部下であれば、自分で内発的動機を見つける必要があります。
内発的動機づけに役立つ本として「動機づける力―モチベーションの理論と実践」をおススメします。
どちらかと言えば、管理職の方向けに書かれているモチベーションの本でありますが、一社員としても参考になる知見は多くありますので、目標設定やモチベーションアップに活かしてみてください。
人間は、 「人からやれと言われたものは、1から10までやりたくないもの」ですが、「自分でやろうと決めたことに関しては、最後までやろうとする」ものです。
自分の内側のモチベーションをうまく操れるようになって、周囲から評価されるようなスーパービジネスパーソンになってみてはいかがでしょうか?
おススメの本
リンク
参考文献
Anja Hagen Olafsen and Marte Bentzen(2020)Benefits of Psychological Detachment From Work: Does Autonomous Work Motivation Play a Role?
Anja Hagen Olafsen and Marte Bentzen(2020)Benefits of Psychological Detachment From Work: Does Autonomous Work Motivation Play a Role?