耳鳴りがつらい・・
耳鳴りに悩ませられている方も多いと思います。
僕も過去に軽い耳鳴りを経験したことがありますが、かなりうざったかったことを覚えています。
今回は深刻な耳鳴りに悩んでいる人が「マインドフルネスベースの認知行動療法」に取り組んだら症状が改善された。という研究を紹介します。
この記事の内容
・耳鳴りとは
・マインドフルネスベースの認知行動療法
・耳鳴りを改善するには
耳鳴りとは
耳鳴りとは、「外的な原因のない音の内部的な感覚が発生すること」です。
人口の30%ほどが耳鳴りを経験し、1~2%は重症化するそうです。
深刻な耳鳴りは治療が難しく、しばしば患者を絶望させるそうですが、現時点で最も強力なエビデンスを持つのが、「認知行動療法」なんですね。
マインドフルネスで耳鳴りが改善
バース大学の2020年の研究では、ひどい耳鳴りに悩む9人の患者を対象に、8週間「MBCT-4」と呼ばれる、マインドフルネスベースの認知行動療法に取り組んでもらいました。内容は
・マインドフルネスと瞑想の学習
・ボディスキャン瞑想
・「音」に意識を向けて受け入れるトレーニング
18週間のトレーニング後にインタビューを行った結果は
1.新しい方法で耳鳴りに対応できるようになった!
2.メンタルが改善した!
3.優しさと思いやりの感情が増した!
多様な効果と改善が見られたわけですが、それぞれの効果について解説しますね。
新しい方法で耳鳴りに対応する
すべての患者は耳鳴りとの関係性が根本的に変化しました。苦痛が大きく軽減し、
1.耳鳴りを許可して受け入れ、そのことに挑戦するようになった!
2.耳鳴りと戦うのでは無く、他のものに注意を向けるようになった!
大きくこの2つの対処法を身につけたんですね。このおかげで、耳鳴りのせいで人生が台無しになるのを防ぐことができたんです。
メンタルの改善
耳鳴りのせいで、落ち込んでいたメンタルも回復することができました。
不安
うつ病
幸福
感謝や喜びのレベル
これらが軒並み改善されたんですね。認知行動療法はもともとうつ病の治療法に大きな効果があるので納得ですね。
優しさと思いやり
患者の他人に対する優しさや思いやりの気持ちも高まったんですね。
苦しみの感受性が高まることで、他人への思いやりと、自分への思いやりであるセルフコンパッションが高まりました。
セルフコンパッションについてはこちらの記事で解説しましたので参考までに。
ポイント マインドフルネスベースの認知行動療法で耳鳴りは解説する!
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マインドフルネスベースの認知行動療法実践
耳鳴りに悩んでいる方には、今回のマインドフルネスベースの認知行動療法を試していただきたいのですが、ベストは専門の医師に相談することです。
認知行動療法を取り入れている耳鼻科さんを探して下さいませ。
自分で挑戦するのであればポイントは2つです。
1.耳鳴りの「音」に気づき、受け入れる
2.耳鳴りと戦わず、注意を他のものに向ける
この2点がマインドフルネスベースの認知行動療法を耳鳴りの改善に活かすポイントですね。
マインドフルネスベースの認知行動療法を学ぶ本として「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門」をオススメします。
ラスハリス氏は「ACT(アクセプタンスアンドコミットメントセラピー)」の第一人者で、マインドフルネスベース認知行動療法を学ぶならこの本がベストだと思います。
タイトルがちょっとあれですが、内容的には、今回の条件に最もマッチしていると思いますよ!
耳鳴りで悩んでいる方は一度マインドフルネスベースの認知行動療法を試してみてくださいね。それではまた。
おススメの本
リンク
参考文献
Elizabeth Marks et al.(2020)I Wasn’t at War With the Noise: How Mindfulness Based Cognitive Therapy Changes Patients’ Experiences of Tinnitus
Elizabeth Marks et al.(2020)I Wasn’t at War With the Noise: How Mindfulness Based Cognitive Therapy Changes Patients’ Experiences of Tinnitus