私は本当は無能なのに、みんなを有能だと欺いてしまっている...
もしかしてこんな気持ちで悩んでいませんか?
これは「インポスター症候群」と呼ばれる心理状態で、有能な人間ほど陥りやすんですね。
今回はこのインポスター症候群を克服する最も効果的な方法も解説します。
この記事の内容
・インポスター症候群とは
・インポスター症候群の改善に有効な方法
・成長マインドセットの身に着け方
インポスター症候群とは
インポスター症候群とは、「自分は本当は無能で、有能だと見せかけて他人を騙している」感覚に襲われる症状です。
この状態を放置しておくとうつ病や不安障害の原因となってしまうので、何らかの介入が必要となります。
真面目で有能な人や、女性がこの症状に陥りやすいと言われています。
またこの気持ちが強い人は、「自分の成功は運や何かの間違い」によるものであると信じている傾向があるんですね。
さらに自分が「無能で、能力が低いものとしてさらけ出されること」を常に恐れているのです。
自分がこのような状態になっていないかどうか、気にするようにしてみて下さい。
インポスター症候群への介入の研究
インポスター症候群の改善にはどのような介入が有効なのか?を調べた研究を解説します。
ザルツブルグ大学の2020年の研究では、70人の男性と33人の女性が参加しました。
3つのグループに分けられ、
1.マンツーマンでコーチングを受けるグループ
2.グループワークを行うグループ
3.何もしないグループ
その上で、介入によって次の要因がどのように変化したか?を調査しました。
・インポスター症候群の度合いや
・モチベーション、
・自己効力感、
・ミスを隠蔽する傾向や
・ネガティブな評価への恐怖
をチェックしましたその結果は、
ポイント
1.グループワークを行ったグループは、インポスター症候群への知識を多く習得した!
2.コーチングを受けたグループは大幅なインポスター症候群の改善を示した!
3.その効果は時間とともに増加し、ミスを隠蔽する傾向が下がり、ネガティブな評価への恐怖が下がった!
さらに研究者は、インポスター症候群改善のポイントとして、固定マインドセットが成長マインドセットへシフトしたことが最も大きいと指摘しています。
つまり、成長マインドセットを身に付けることで、インポスター症候群の症状を大幅に改善することができるんですね。
次は成長マインドセットについて説明しますね。
インポスター症候群を克服する方法
成長マインドセットがインポスター症候群の改善に効く理由
成長マインドセットとは、しなやかなマインドセットと言われ、自分の能力は努力によって成長させることができるという考え方です。
なぜ成長マインドセットが、インポスター症候群の改善に有効なのか?という理由ですが、失敗を恐れなくなるからなんですね。
成長マインドセットを身に着けると、「失敗やミスは自分を成長させるいい機会」ととらえられるようになります。
インポスター症候群の人は、失敗やミスにより「無能な自分を知られること」におびえているので、「自分は本当は無能だ」と心のバリアを張ってしまうんですね。
成長マインドセットによって、バリアを張る原因が取り除かれるので、インポスター症候群の改善が期待できるんです。
成長マインドセットを身に着けよう!
今回は成長マインドセットを身に付ける方法を簡単に説明します。ポイントは5つです。
1.努力にフォーカスする
2.結果と努力を結びつける
3.失敗やミスは前向きに捉える
4.目標を設定し、戦略的に努力する
5.脳を成長モードに入れる
基本的に結果よりも努力に目を向けて、目標に向けて戦略的に行動しましょう。
目標に向けて小さなステップを設定するといいですね。結果に結びついた努力を評価するのもポイントです。
失敗やミスは「成長の機会」と考えて、常に「何を学び、何を教えるか?」を意識しましょ。
成長マインドセットについてもっと深く学びたいという、成長志向のあなたには「マインドセット:『やればできる!』の研究」をおススメします。
教育心理学者のキャロル・ドゥエック博士が、成長マインドセットの育み方について解説した一冊です。
こちらを参考に成長マインドセットを身に着けて、インポスター症候群を克服してくださいね!それではまた。
おススメの本
リンク
参考文献
Mirjam Zanchetta et al.(2020)“Overcoming the Fear That Haunts Your Success” – The Effectiveness of Interventions for Reducing the Impostor Phenomenon
Mirjam Zanchetta et al.(2020)“Overcoming the Fear That Haunts Your Success” – The Effectiveness of Interventions for Reducing the Impostor Phenomenon