今回はプレゼンや面接は迎合せずに、自分らしく臨んだ方がうまく行くよ!という研究の話です。最大3倍も成功率が違ったなんて実験もあるそうですよ!
この記事はこんな人におススメ
「就職活動で面接がうまくなりたい人」
プレゼンや面接は「ありのまま」で勝負!
「アナと雪の女王」はもともとはボツになって、眠っていたストーリーを設定をアレンジして復活した作品、という話は知っていますか?
アナ雪が復活したように、「ありのまま」の自分で臨むことが、面接やプレゼンの成功率をアップしてくれるぞ!という研究の話をします。
私たちは他人の期待に自分を合わせすぎる、「迎合」をしてしまうことが多いにあります 。あなたも身に覚えがあるのではないでしょうか?私も、両親の期待に応えようとして、受験に失敗して行きたくもない大学に通った経験があります。
今回のハーバードビジネススクールの調査では、「迎合した方が良い結果になる」と考えている人が71%存在し、また実際に迎合したことがあるビジネスパーソンは、66%存在しました。
しかし、うまくいく確率が高かったのは、ありのままの自分で面接やプレゼンに臨んだ人たちでした。
もしアナ雪の主人公が迎合するような性格だったらきっと映画はヒットすることは無かったでしょうね(笑)。
迎合してはいけないという研究
ハーバードビジネススクールが2020年に発表した研究では2つの実験が行われました。起業家を166人を集めた実験では、事業のアイデアを披露してもらうコンテストを開催しました。
審査員はベテランのコンサルタント3人が担当し、参加者のうち10人がセミファイナルラウンドに出することができます。
コンテスト中に、セミファイナルラウンドに進むことができた起業家たちをチェックしたところ、ありのままの自分でプレゼンを行った起業家は、迎合した起業家と比べて3倍もセミファイナルラウンドに進出する可能性が高かった!
3倍も差がついちゃったんですねえ。こりゃすごい。
なぜこんなことが起こるのか?という理由は、迎合することで認知能力や低下し、感情的にも消耗してしまい、その結果パフォーマンスが低下してしまうんですね。「見せかけの自分」は不安を高めてしまうだけなんですね。
迎合しなければ就職面接の成功率が26%アップ!
続いて研究チームは、就職面接のビデオを作ると言う実験を行いました。379人の求職者が参加し、2~3分の動画を作ってもらいました。
動画の内容は求人票を読んで自己紹介と、応募しようとしている仕事の内容について、質問されたものに回答したものです。
採点は人材採用のアシスタントが行い、最高得点を出すと報奨金がもらえる、と伝えられました。またその評価のスコアによって、採用が決まると伝えられました。
参加者は事前に3つのグループに分けられ、
1.ありのままグループ。自分を出して好きなように喋ってくださいと伝えられた人たち。
2.迎合グループ。動画を評価する人の、期待に対して迎合してしゃべるように言われたグループ。
3.コントロールグループ。ただ単に、動画を見ている人がいます、と伝えられただけのグループ。
動画を投稿した後に、不安や、どのような戦略的意図を持って動画を撮影したのか?と言う質問をされました。
その結果、
1.迎合したグループは不安や戦略的意図が増加して、採用面接のパフォーマンスが悪いと評価された!
2.ありのままグループは、迎合グループと比べて、採用される確率が26%も高くなった!
3.コントロールグループも、迎合グループよりも9%、採用される確率が高かった!
この事実から分かることは、他人の期待に合わせて自分を偽る事は、パフォーマンスの低下をもたらし、人生の成功のチャンスを奪ってしまうということです。
では、ありのままの自分で勝負できるようになるためには何をするべきでしょうか?
自己肯定感を高めよう!
そうはいっても、ありのままの自分をさらけ出すのは怖いものです。自分らしさで勝負できるようになるためには、「自信をつけること」が必要ですよね。 そのためのキーワードとなるのが「自己肯定感を高めること」です。
成長マインドセットを身に着ける
自分をポジティブに捉え、自己肯定感を高めることができれば、自信を持ってありのままの自分で振る舞うことが可能になります。 自己肯定感を高めるために必要な戦略としては、「成長マインドセットを身に付けること」がおススメです。
成長マインドセットとは、自分の努力によって結果を変えることができるという考え方を持つことです。成長マインドセットを学ぶのに役立つ本として、教育心理学者のキャロル・ドゥエック博士が書いた、マインドセット「やればできる」の研究を紹介します。
成長マインドセットを持つ子供と、そうでない子供の決定的な違いを解説しながら、自分を変えるために、役立つ方法を身に付けることができます。知識を1つ紹介すると、結果ではなくプロセスに目を向けることです。どのような結果が出たか?、ではなくどのような工夫をしたか?ということに、毎日目を向けていくことで、徐々に成長マインドセットに切り替えていくことができるでしょう。
人間関係を改善する
また、もう一つの自信を高める方法として、「人間関係を良くする」という方法をおススメしておきます。 2019年のメタ分析によれば、社会的な人間関係が良い人物ほど、自尊心がかなり高い傾向にあったそうです。さらに、自尊心が高くなるほど、社会的な人間関係も良くなっていったんですね。これは良い循環が生まれているということにです。
人間関係が良いと感情が安定し、自分を大切に思うことができるようになるのです。 逆に、人間関係が悪いと、そのことに気をとられて、自分に目を向けることができなくなってしまいます。
私も他人の行動が気になって、ついつい余計なことを言ってしまったりするときは、自分がネガティブになっていないかどうか?、気をつけるようにしています。
人間関係を改善するのに役立つ攻略本として、アダム・グラント氏の「GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代」をお勧めします。史上最年少でウォートンビジネススクールの名誉教授となった著者が、「与える人間こそが成功する」と言う事実を、多くの心理学的研究をベースに解説した1冊です。2013年の全米ナンバーワンのビジネス書籍にも選ばれています。人に親切にすることがどれだけの影響力を持ち、また自分自身の人生をどれだけ改善してくれるのかと言う新しい発見を与えてくれます。
ただ親切にするのではなく、成功するために必要な親切のポイント学ぶことができます。少しだけ紹介するなら、5分で出来るような簡単な親切はどんどんやっていこう、と言うことですね。まさに「情けは人の為ならず」といったところでしょうか?
まとめ
長くなりましたが、今日の知識をまとめると、
1.プレゼンや面接では自分を偽らずに、「ありのままの自分」で勝負!
2.ありのままに振舞うために、自信と自己肯定感を高める!
3.成長マインドセットを身に付けて自信を深める!
4.他人に親切にすることで、人間関係と自尊心を改善する!
ぜひ今日の知識を実践して、「アナと雪の女王」のように素敵なストーリーを生きてくださいね!ではまた。
おススメ攻略本
参考文献
Francesca Gino et al.(2020)To be or not to be your authentic self? Catering to others’ preferences hinders performance
Harris, M. A., & Orth, U. (2019). The link between self-esteem and social relationships: A meta-analysis of longitudinal studies. Journal of Personality and Social Psychology. Advance online publication.