「さっき説明したのに、なんでちゃんと話を聞いてないの!」、職場や家庭で耳にすることありませんか?あるいは、「部下に仕事を説明しても、いまいち理解してくれている気がしない・・」なんてことはありませんか?
それはもしかしたら、気づかないうちに「あの言葉」を使ってしまっているからかもしれませんよ!
それは「専門用語」です!今日は専門用語を使うと、聞き手は興味も無くなるし、自信も無くなるし、やる気も無くなるしでいいことないよ!という話をします。
思った以上のメンタルブレイク
これはオハイオ州立大学が2020年に行った実験で、650人の大人がオンラインで参加しました。
参加者には次の3つのテーマについて書かれた、コラムを読んでもらいました。
1.自動運転カー
2.手術用ロボット
3.3Dバイオプリンティング
どれも難しそうなテーマですね。でもって、半分のグループには「専門用語の無いコラム」を残りの半分のグループは「専門用語の含まれたコラム」を読んでもらいました。
さらに「専門用語の含まれたコラム」グループの半数には、専門用語の説明を見れるようにしました。マウスを専門用語に合わせると、説明が表示されるようにしたんですね。この説明は、専門用語の無いコラムグループに対して、使った説明と同じものなんですね。
コラムを読んだ後で、アンケートを行い、「コラムの読みやすさ」や「科学への関心」や「科学の知識への自信」などを質問しました。
その結果、専門用語の含まれたコラムを読んだ参加者は、たとえ専門用語の説明が見れたとしても、専門用語の無い参加者よりも、コラムを読みにくいものだったと評価した!
さらに、専門用語を使われることにより、科学があまり得意でない、科学について学ぶことに興味がない、科学の議論に参加する資格がない、と回答する傾向が高まった!
メンタルバキバキにやられてますね、これは・・。
逆に、専門用語の無いコラムを読んだ参加者は、より力を与えられたと感じ、科学が好きで、自分のことを科学的な人間だと思う、と回答する傾向があった!
専門用語を使わないだけで、こんなに変わるものなんですね。自分も専門用語を使い過ぎないように気を付けよう・・・。
口は災いの元
ちょっとした言葉遣いの違いで、人間のモチベーションは大きく変わるものだなあ、と感心させられました。
私もフリーターをしていたころは、お客さんや同僚になかなか考えが伝わらずに、もどかしい思いをしてきました。こういうときは、「相手の視点に立ってみる」ことが大事だな、と学びました。
自分が知っていること、当たり前だと思っていることは、相手にとっては未知のことだ!と思って接するようにしてから、メンタル的にも仕事の面でも随分楽になったのを覚えています。
この相手の視点に立ってコミュニケーションを図る上で、役に立つ攻略本としてデール・カーネギー氏の「 人を動かす」をおススメしておきます。1937年に発売された本でありながら、人間関係における名著としていまだに売れ続けています。ぜひ一度読んでみてください。
みなさんも専門用語には気を付けてくださいね!それではまた。
今日の攻略本
参考文献
Hillary C. Shulman et al.(2020)The Effects of Jargon on Processing Fluency, Self-Perceptions, and Scientific Engagement